東大現代社会研究会(現社研)の皆さん、6月1日の読書会はお疲れ様でした。テキストはカントの『永遠平和のために』でしたが、いかがだったでしょうか?
カントは、このテキストで、戦争に対する原理的な批判を試みているのですが、それははたして成功しているのでしょうか。執筆年は1795年で、フランス革命がちょうど現在進行形のかたちで進展している時期にあたります。それから200年強が経ちます。諸国家が共和制のもとで、対等な立場に立つことによって、永遠平和がもたらされるというカントの主張・展望は正しかったのでしょうか。一方では国際連盟や国際連合というかたちでカントの思想は結実しましたが、他方では植民地経営をめぐる帝国主義戦争や資源争奪を発端とする内戦の勃発など、カントにとって想定外の事態が現在も生じています。自由で平等な国民が戦争という無駄な行動に同意するはずがないというカントのロジックは、20世紀のヒットラーのナチズムに対するドイツ国民の熱狂的支持によって、結果として覆されてしまった感は否めません。シビリアン・コントロールでこそ国民を総動員する世界大戦が実現可能だったという逆説もあります。読書会は、このような討論を通じてカントの可能性と限界を見据えるものとなったと思います。
さて、5月のお題は「国際関係」でしたが、6月のお題は「国内問題」となります。そのお題に沿ったかたちで、次回のテーマは「日本国内の貧困問題について」になります。以下が詳細です。学習会では、与えられたテーマ(今回は「日本国内の貧困問題について」です)に従って、報告者が様々な文献・資料を調べて、報告する形式をとります。そのため、読書会形式と異なり、参加者はあらかじめ指定された文献を事前に読んでくる必要はありません。なお、当日は報告者が報告をおこない、その後参加者みんなで議論します。奮っての参加をお願いします。
記
〇テーマ「日本国内の貧困問題について」
○日時:6月6日(水)18:30〜
○場所:キャンパスプラザB312
○場所:キャンパスプラザB312
(現社研の部室 キャンパスプラザB棟3階)
〇参加費:無料
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新入会員を募集しております。一年生の方や、初めてこのブログを読んで関心を持った方など、ご自由にご参加ください。当サークルの日頃の活動の雰囲気を知りたいという方の飛び入り参加も大歓迎です。事前の登録等も必要ありません。途中入退出も自由です。お気軽に、部室にお越しください。なお、部室の場所がわからない場合には現社研のホームページ上にある連絡先にメールをしていただきますよう、お願いします。
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【文責:飯島】