2011年6月14日火曜日

次回の読書会は6月17日です。

会員の皆さん、映画上映会ではお疲れ様でした。感想や意見などについて今後も活発に議論できれば、と思っています。

さて、次回の現代社会研究会(現社研)は、読書会です。詳細は以下のとおりです。

●日時;6月17日(金曜日)18時30分

●場所;現社研の部室(キャンパスプラザB312 〔B棟 3階〕)

●テキスト;斎藤貴男『安心のファシズム』岩波新書 2004年刊)

●今回取り扱う範囲:第一章から三章章まで
  :第一章 イラク人人質事件と銃後の思想
  :第二章 自動改札機と携帯電話
  :第三章 自由からの逃走
      
●参加費:無料(ただし、テキストは図書館か書店にてご自分で入手してください)

新入生の方や、初めてこのブログを読んで関心を持った方など、ご自由に参加ください。飛び入り参加、大歓迎です。なお、二~四年生や大学院生、留学生の方も大歓迎です。

『安心のファシズム-支配されたがる人びと-』

なぜ私たちは自由から逃走するのか?

著者である斎藤貴男氏は「日本工業新聞」記者、「プレジデント」編集部、「週刊文春」記者を経て、現在はフリージャーナリスト。

テキストのカバーの紹介文
<携帯電話、住基ネット、ネット家電、自動改札機など、便利なテクノロジーにちらつく権力の影。人間の尊厳を冒され、道具にされる運命をしいられるにもかかわらず、それでも人びとはそこに「安心」を求める。自由から逃走し、支配されたがるその心性はどこからくるのか。著者の長年の取材、調査、研究を集大成する渾身の書き下ろし。>

<独裁者の強権政治だけでファシズムは成立しない。自由の放擲と隷従を積極的に求める民衆の心性ゆえに、それは命脈を保つのだ。不安や怯え、恐怖、贖罪意識その他諸々――大部分は巧みに湯同された結果だが――が、より強大な権力と巨大テクノロジーと利便性に支配される安心を欲し、これ以上のファシズムを招けば、私たちはやがて、確実に裏切られよう。」(あとがき)より)

イラク人質事件の際に自己責任論が巷に流布した事情とは?自動改札機や携帯電話で「便利」になったつもりだが、その代わりに失ったものとは?愛国心教育や『心のノート』からみえる権力側のねらいとは? ファシズムはそよ風とともにやってくる。プライバシーの領域が失われることは、同時に表現の自由を失うことでもある。「自分は後ろめたいことをやっていなから、私生活を見られても平気!」と、はたして言い切れるだろうか? ともに、現代日本社会のあり方を議論したい。

【文責:飯島】