2009年10月24日土曜日

2009年10月30日(金曜日)の学習会のお知らせ

★場所:キャンパスプラザB312(部室)

★内容:『国民投票法=改憲手続法の「カラクリ」』の読書会
(学習の友ブックレット15/編者=自由法曹団/発行=学習の友社 2006年)の第1部(41ページまで)。

※各自で本を入手の上、当日までに読んできて下さい。

※わたしたち東大現代社会研究会は「インカレサークル」です。他大学の学生もぜひ気軽に遊びにきてください。お待ちしております。

~『国民投票法』(編者:自由法曹団)の書評(文責:飯島)~

 国民投票法推進派の今井一氏は、憲法改正の国民投票が実施されたあかつきには、「『憲法九条・国民投票』をきっかけに、居酒屋談義のみならず、職場や学校、家庭でも多くの人が戦争・防衛について当たり前のように自分の意見を述べ人の意見を聞くようになった。そして議論が弾む」ようになるという(今井一著『「憲法九条」国民投票』)。

 しかし、本当にそうなるだろうか。自民・公明の与党案はそのような夢想を吹き飛ばす内容だ。例えば、公務員、教育者に対し「地位利用による国民投票運動を禁止」している。仮に「違反」だと認定されれば、公務員は二年以下の禁錮又は三〇万円以下の罰金(教育者は一年以下の禁錮)に処せられる。改憲について話すこと、行動することのすべてが「運動」だとみなされ、「地位利用」かどうかも権力の認定でどうにでも濫用される危険がつよい。対象人数は概算で五〇〇万人にものぼる。

もちろん、権力側も何百人もの逮捕という大量弾圧を考えているわけではない。要するに「萎縮効果」を狙って利用してくる可能性が高い。何十人かのしかるべき対象者を選んで、みせしめ的に弾圧する。そして規制の対象となる人びとの改憲反対運動を「萎縮」させるのだ。こればかりではない。権力側は法案に様々な「カラクリ」を用意周到に仕込んでいる。
 
 法案の問題点を簡潔にまとめたこのブックレットを通じて、自由闊達な議論が展開されるような国民投票のあるべき姿を考え直したい。
                               【以上 2006年執筆】